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訪問看護ステーション開設の方法や準備をステップ別に解説【後編】

訪問看護ステーション開設の方法や準備をステップ別に解説【後編】

この記事はこんな方におすすめ

      • 訪問看護ステーションの開設を検討している方
      • 訪問看護ステーションの管理者をされている方
      • 訪問看護ステーションの管理者候補として、知見を深めたい方

この記事を読むとこうなります

      • 訪問看護ステーションの開設準備段階で押さえておくべきポイントを学べます
      • 効率的な開設プロセスを通じて、訪問看護ステーションの円滑な開設方法がわかります
      • 開業後のステーション運営を安定させるためのヒントが得られます

この記事では、訪問看護ステーションの開業に向けて、実践的なステップとその実行方法について詳細に解説していきます。

訪問看護ステーション開設のためのステップ【前編】」の続編です。

ステップ⑥ 事業所の確保

訪問看護ステーションの開設において、事業の継続と成功に適切な地域や周辺環境の選定は非常に重要です。
事業地域の適切な選定には、以下のポイントがあります。

  • 対象顧客層の分析
    訪問看護サービスのニーズが、どれくらいその地域に存在するかを調査します。

  • 競合状況の把握
    同じ地域でサービスを提供している、他の訪問看護ステーションの数や種類、特徴等を確認します。

  • 地域の将来性
    地域の将来的な発展や需要の変化を予測し、それに基づいてエリアを選びます。

物件選定のポイント
  • 交通アクセスと立地
    訪問先へのアクセスが良好で、主要交通機関に近い場所が望ましいです。

  • スペースの規模
    初期の事業スケールに合わせた広さを選ぶ一方で、将来の拡大も視野に入れておくことが重要です。

  • 周辺環境
    スタッフが働く環境として適した場所を選び、治安や日常の利便性も考慮します。

  • 物件の実地確認
    物件の設備や状態は実際に確認することが不可欠です。


訪問看護事業の成功に向けて、地域選定と物件選びは計画的に行うことが必要です。
これらの要素を総合的に考慮し、最適な選択を目指しましょう。

ステップ⑦ 物品準備

訪問看護事業を運営する上で、医療用品や消耗品の整備は非常に重要です。
以下に、物品管理の主要なポイントを挙げます。

  • 医療用品の選定
    必要な医療器材や消耗品を選びます。バイタルサイン計測機器、使い捨て手袋、ガーゼ、アルコール消毒液などが該当します。

  • 在庫管理の実施
    災害時も想定し、必要十分な在庫を保つための体制を構築します。

  • コストの最適化
    物品購入に関しては、コスト面を考慮し、一括購入の割引や長期契約による価格交渉を行うことも重要です。

  • 機器の定期的なメンテナンス
    医療機器は定期的なメンテナンスが必要です。機器の故障を防ぐため、メンテナンス計画を立て、適切な手入れを行います。


訪問看護事業における医療用品の適切な管理は、サービス品質の維持と効率的な業務運営に寄与します。計画的な物品管理で、スムーズな業務実施を目指しましょう。

ステップ⑧ スタッフの確保

訪問看護ステーションの開設に際しては、適切な人材の選定と職場環境の整備が非常に重要です。
以下に、スタッフの確保の主要なポイントを挙げます。

  • 人材像の明確化
    事業の理念やミッションに基づき、求める人材の特性を具体的に定義します。オープニングスタッフの役割は非常に重要となります。様々な困難に対して、適応できるような人材が理想的です。

  • 職場環境の構築
    働くスタッフにとって快適な環境を作り、福利厚生や給与体系を整えることが重要です。また、スタッフの意見を聞くための定期的なフィードバックの機会を設けることも大切です。

  • 情熱の共有
    開業初期には多くの挑戦がありますが、共通の目的や情熱を持つチームであれば、困難を乗り越えることができます。

訪問看護ステーションを開設した後の安定した運営には、ビジョンを共有し、相互に信頼できる人材が不可欠です。どのようなスタッフを採用するかや、求める人材が活躍できる環境を整えることが重要です。心から支え合うことができるチームを作ることが、事業成功への道となります。

ステップ⑨ 書類の準備

訪問看護ステーションを運営する上で必要となる多くの書類があります。
以下に、主要な書類の種類と内容を紹介します。


管理・運営関連の記録
  • 事業日誌
  • 職員の勤務記録
  • 給与明細
  • 研修履歴
  • 月間や年間の事業計画など

地方自治体との連絡調整記録
  • 市町村等との連携に関する記録や調整に関する文書

利用者関連の書類
  • 利用者との契約書
  • 重要事項説明書
  • 個人情報同意書
  • 利用料金表など

訪問看護業務関連の記録
  • 訪問看護記録書
  • 訪問看護指示書
  • 訪問看護計画書
  • 訪問看護報告書
  • 医療保険関連の文書など

会計・経理関連の記録
  • 財務関連の記録や経理文書

設備・備品関連の記録
  • 設備や備品の管理に関する文書

運営規程
  • 事業目的
  • 運営方針
  • 従業員の職務内容
  • 営業日
  • 時間
  • 緊急時の対応方法
  • 訪問看護の内容
  • 利用料金
  • 事業の実施地域など

パンフレットやマニュアル
  • 事業所の紹介
  • サービス提供に関するマニュアル

これらの書類は、訪問看護事業の円滑な運営に欠かせません。
多くの場合、上記の書類は指定申請先のウェブサイトで参考文書を入手することができますし、電子カルテシステムの導入によって書類管理が容易になります。

ステップ⑩ 必要規定の準備

訪問看護ステーションの運営において、様々な規程の設定が必要です。
これらの規程は組織運営の円滑化と、スタッフ、利用者、関連機関の安全と福祉を保障するために重要な役割を果たします。
以下に、主要な規程のカテゴリーとその内容を示します。


組織管理関連の規程
  • 個人情報の保護
  • 出張経費の取り扱い
  • 研修や学会参加に関する基準
  • 慶弔見舞金
  • 福利厚生
  • 車両の管理
  • 防災や防火対策など

人事関連の規程
  • 就業規則
  • 育児や介護休業
  • 再雇用
  • 給与体系
  • 退職金制度
  • 従業員評価システムなど

業務遂行関連の規程
  • 感染症対策マニュアル
  • 交通事故対応
  • クレーム対応など


これらの規程は、会社の運営を支える基盤となり、スタッフが安心して働くことができる環境を作り出します。

ステップ⑪ 保険への加入

事業継続には適切なリスク管理が欠かせません。
特に訪問看護事業では、サービス提供中に発生する可能性のある様々なリスクに備える必要があります。リスク評価と保険への加入を検討することが重要です。

  • リスク評価
    地震や火災、車両事故、医療事故などのリスクを適切に評価します。

  • 保険加入の検討
    訪問中の事故や物損に対する損害賠償責任に備え、補償制度への加入が推奨されます。

ステップ⑫ 必要な申請・届け出

訪問看護ステーションを正式に運営するためには、自治体への指定申請が欠かせません。
以下に、指定申請のプロセスと必要な手続きについて説明します。



申請の必要性

訪問看護事業所として活動するためには、都道府県知事や市長への指定申請が必須です。この申請がなければ、事業所としては認められません。


書類の準備

事業計画書、資格証明書、事業所の設備やスタッフ情報など、申請には多くの書類が必要です。申請先によって必要な書類が異なるため、指定申請のガイドラインを確認することが重要です。


申請手続き

必要書類を整えた後、関連する窓口にて担当者と面談を行い、書類審査と審査過程を経ます。その結果、事業所の指定を受けます。


加算届出や指定機関申請

指定申請完了後、医療保険の加算取得や生活保護法、自立支援医療機関の指定など、提供するサービスに合わせて追加の申請手続きが必要になる場合があります。


これらの手続きを適切に行うことで、訪問看護ステーションの正式な運営が可能となります。

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今回の記事では、訪問看護ステーション開設に関するステップを詳しく解説してきました。
訪問看護ステーションを開設する際には、開設プロセスの全体像を把握し、計画的に進めることが成功への鍵となります。
訪問看護ステーションの開設や運営にお役立ていただければ幸いです。

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