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訪問看護ステーションの開設基準とは?3つの基準について解説

訪問看護ステーションの開設基準とは?3つの基準について解説

この記事はこんな方におすすめ

      • 訪問看護事業所の開設を検討している方々
      • 訪問看護事業所の管理者候補として、自身の知識を深めたい方々

この記事を読むとこうなります

      • 訪問看護事業所の開設する際に押さえておくべき重要な基準が学べる
      • 開設後の事業所の安定した運営のための有益なヒントが得られる

今回のコラムでは、訪問看護ステーションの開設に必要な基準を紹介し、それらの基準を守るための重要なポイントを詳しく解説していきます。

訪問看護ステーションは誰でも開設できる?

介護保険法の『指定居宅サービス事業者の指定』や厚生省から都道府県知事宛の通知である『指定訪問看護事業者の指定を受けることができる者』について定められており、訪問看護ステーションの事業者の指定条件を確認することが出来ます。
下記でその要件をまとめています。

訪問看護ステーションの開設に関しては、誰でも行えるわけではありません。この点については、介護保険法における『指定居宅サービス事業者の指定』や、厚生省から都道府県知事宛に発出される通知『指定訪問看護事業者の指定を受けることができる者』に基準が定められています。これらの文書は、訪問看護ステーションを運営する事業者が満たすべき指定条件を確認するための重要な資料となります。
以下に、これらの要件をまとめています。

参考)
介護保険法 第二節第七十条 指定居宅サービス事業者(指定居宅サービス事業者の指定)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=409AC0000000123

指定訪問看護事業者の指定を受けることができる者について
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta4190&dataType=1&pageNo=1

訪問看護ステーションの開設基準とは

指定居宅サービス事業者に関する基準

訪問看護ステーションの事業者になるには、個人としてではなく法人として設立する必要があります。また、過去に刑罰を受けたり、指定申請に関する違反がある場合などは、事業者としての指定を受けることが出来ません。
しかし、訪問看護ステーションの事業者になるためには、看護師や保健師などの資格は特に制限されていません。そのため、事業者としての指定を受ける要件を比較的容易に満たすことが可能です。

法人を設立する際には、営利法人と非営利法人のいずれかを選択できます。営利法人として訪問看護ステーションを開設する場合には注意が必要です。医療法人や社会福祉法人などの非営利法人で働いた経験のある医療職の方々は、株式会社のような営利法人で働く際に、売上や販売といった経営面で大きな違いを感じることがあります。逆に、営利法人での経験しかない事業者が、非営利法人で働いてきたスタッフと協働する場合、同様の理由から違和感を感じることがあるでしょう。このような認識の違いは、経営と現場の間で対立を引き起こす可能性があるため、直接サービスを提供しない事業者であっても、訪問看護事業への深い関心を持ち、現場スタッフと協力してチームを形成することが推奨されます。

訪問看護ステーションの開設に際しては、事業者だけでなく「人員に関する基準」「設備に関する基準」「運営に関する基準」といった3つの基準を満たすことが求められます。これらは、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」として厚生省から定められています。


参考)
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411M50000100037

人員に関する基準

訪問看護ステーションの開設における「人員に関する基準」には3つの重要な視点があります。

管理者

管理者は保健師又は看護師であり、常勤であることが基準とされています。看護職員としての兼務が可能で、後述する看護職員の常勤換算にも含めることが出来ます。管理者は、適切な訪問看護を行うために必要な知識と技能を有している必要があり、必要に応じて研修などに参加し、知識や技能を習得することが求められます。

看護職員

訪問看護ステーションにおいては、常勤換算で2.5名以上の看護職員が在籍している必要があり、そのうち少なくとも1名は常勤であることが求められます。この職員には保健師、看護師、准看護師のいずれかの資格が必要です。地域医療におけるニーズに応えるため、訪問看護ステーションは24時間365日体制を整えることが必要です。そのため、スタッフに過度な負担をかけず、継続的な運営を行うために、4名以上の看護職員での開設が推奨されています。

リハビリ職員

リハビリ職員の配置は、実情に応じた適切な数で行い、必ず配置する必要はありません。訪問看護でのリハビリニーズは高いため、開設時から配置することで提供できるサービスの幅が広がりますが、多くのスタッフを採用すると人件費が増加します。従って、看護職員のオンコール対応や土日祝の勤務の負担を考慮しつつ、リハビリ職員の配置について慎重に検討することが重要です。

設備に関する基準

訪問看護ステーションの開設における「設備に関する基準」には3つの重要な視点があります。

運営に必要な面接を有する専用の事務室を設ける必要がある

事業所と相談室の設置に関する基準があります。具体的な坪数の制限は設けられていませんが、各機能を果たすために必要な広さを確保することが必要です。

必要な設備及び備品等を確保する必要がある

事務所に必要な備品を設置し、その写真撮影を行った後、図面でまとめた資料の提出が求められます。そのため、資料提出の際に全て設備や備品が準備されている必要があります。

基準外でのおすすめの備品

訪問看護ステーションを運営していく中で、最低限必要だと感じたものを挙げています。スタッフの就業環境を整えることで、継続的なステーション運営に繋がります。

運営に関する基準

訪問看護ステーションの開設における「運営に関する基準」には11つの重要な視点があります。

  1. 『サービス提供困難時の対応』
    開設前から地域の訪問看護ステーションと連携を築き、事前に相談することで、スムーズな紹介が可能になります。

  2. 『居宅介護支援事業者等との連携』
    介護サービスの調整を担う居宅介護支援事業者との連携は、提供するサービスに大きな影響を与えるため、非常に重要です。

  3. 『利用料等の受領』
    サービス提供前の説明責任や自費サービスに関して、利用者が不利益を被らないようにすることが求められます。

  4. 『指定訪問看護の基本取扱方針』
    継続的な訪問看護の質の評価や改善についての指摘があります。

  5. 『指定訪問看護の具体的取扱方針』
    基本取扱方針の具体的な内容が述べられています。

  6. 『主治の医師との関係』
    訪問看護ステーションと主治医との関係性に関する記述があります。

  7. 『訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成』
    電子カルテを導入することで、これらの書類の作成に関する基準を遵守することが可能です。

  8. 『同居家族に対する訪問看護の禁止』
    上記のような決まりがあるため、地域の訪問看護ステーションとの連携を築き、信頼できる関係性を構築することが推奨されます。

  9. 『緊急時等の対応』
    緊急時対応の役割を明確にし、利用者への説明を行うことで、訪問に遅れる際の理解を得やすくなります。

  10. 『運営規程』
    指定申請時に提出が必要です。

  11. 『記録の整備』
    電子カルテの導入で記録の整備が容易になりますが、サービス終了後の記録保管期間についても注意が必要です。

基準を守るためのポイント

これまで解説した基準を守るためには、指定申請を行うことができる状態を整備する必要があります。これがなされない場合、訪問看護ステーションの開設はできません。守るべき基準が多いため、十分な準備期間の設定が重要です。特に人員に関する基準については、求人活動を開始してもすぐに人材が集まるわけではありません。個人での開設を目指す方は、開設希望の少なくとも1年前から基準を満たせる体制の準備を始めるべきです。また、個人での開設準備が不安な方や迅速な開設を望む方は、申請代行やフランチャイズの検討も一つの選択肢です。しかし、申請代行やフランチャイズで開設する際も、事業者自身が基準の内容を理解し、訪問看護ステーションの開設後も継続して基準を遵守する努力が必要です。



今回の記事では、訪問看護ステーションの開設基準について詳しく解説しました。訪問看護ステーションを開設する際には、十分な準備期間を確保し、計画的に進めることが非常に重要です。この記事が、訪問看護ステーションの開設や運営に役立つ情報となれば幸いです。

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